釣りで一息。

釣りが好きです。釣り以外もいろいろ好きです。

メガバス・ポップXのフック交換について。


こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

メガバス・ポップX(POPX)。

もはや説明不要、バスルアー界では知らない人のいない、国産ポッパーの代名詞ともいえる大傑作。

f:id:baseballlll:20240629145844j:image

かつては入手するのに今では信じられないほどの資金や労力が必要だった、いわゆる”バスバブル”のピークを象徴するルアーのひとつでもあります。

最近では『ファインアート(FA)』というとても美しいペイントが施されたモデルもありますね。

 

 

最近ポップMAXのファインアートバスカラーを買いましたが、本当に美しく何度も眺めてしまいます。

 

そして今回のお題である、トレブルフックの交換。

いろいろ試してみた顛末をまとめてみました。

結構長くなってしまいましたので要点は目次からどうぞ。

 

 

ポップXのトレブルフック交換

冒頭の写真は初期装備のフックがついた状態です。

これまでこのポップXは初期フックを変えずに使ってきていましたが、何度も砥いでいるので針先が磨り減っているし、若干の錆びも出始めたりで、さすがに交換することにしました。

それと初期フックは横アイ用なんですよね。これはセンターバランスに取り替えたいところ。

なお、冒頭の写真のポップXは2004年のモデルです。現行のポップXを所持していないので確定的なことは言えませんが、現行のポップMAXとワンテンRはセンターバランスのフック(BKK製?)を搭載しているため、ポップXも現行のものはセンターバランスのフックが搭載されているんじゃないかと推測します。

 

初期装備のフックについて

まず初期フックの重さを計測してみます。

フロントフックから。

フックのみで0.37g、初期装備のリング込みで0.42gでした。

 

続いてリアのフェザーフック。


f:id:baseballlll:20240814020223j:image

f:id:baseballlll:20240814020220j:image

こちらはフックのみで0.40g、リング込みで0.46gです。

つまりフェザーとスレッドで0.3〜0.4gの重さが乗っているということになりますね。

 

このフックの重さというのがトップウォータープラグにとってはとても大事な要素だと考えていて、これが重くなっても軽くなっても、ルアーの喫水線が変動します。

これによってルアーの水の絡み方やダイブのしやすさなどが変わり、製作側が意図するパフォーマンスが100%引き出せなくなる可能性があるわけですね。

とりわけこのポップX(1/4oz)のようにルアー自体が軽いものであればあるほど、フック重量のわずかな差も相対的には大きく影響してくるということになります。

もちろん、意図的にチューニングとしてフックの重さを変えるという場合はまた別の話です。

 

なお基礎的知識ですが、以降に出てくるフックの各パートの名称と意味についてはこちらのリンク先冒頭の画像がわかりやすいです。

1source.basspro.com

 

スプリットリングについて

フックを交換するのなら、同時に古いリングも交換しましょう。

ポップXには初期装備で平打ちの#2と思われるものが装着されているため、類似のものを選びます。

私がプラグ用のスプリットリングによく使っているのがこちら。

f:id:baseballlll:20240813202159j:image

ゼスタのハードスプリットリングです。

平打ちで、さらにこのバリューパックなら100個入りで税込定価¥550とお買い得。オススメです!

 

 

どのフックにするか?

さて、フックを交換するならどこのメーカーのどのフックにするのか?ということになります。

ポップXのフックに求める条件は以下の3つ。

・ラウンドベンドである

 →初期装備と同じ形状

・細軸である

 →初期装備と同程度の重さ

・(できれば)センターバランスである

 →気持ちの問題?

 

これらを満たしてくれるものを探します。

 

結果、まずフロントフックの候補として以下の3つ。

①BKK スピア20SS #6

②がまかつ トレブルRB-Mナノスムースコート #7

③リューギ ピアストレブル #7

 

続いてリアのフェザーフックの候補として以下の3つ。

①メガバス ティーザーフック #6

②がまかつ トレブルRB-MH FT #7

③リューギ フェザーピアストレブル #7

 

これらをそれぞれ購入して検証してみました。

 

フロントフック編

まずはフロントフックから。

初期フックの重さはフックのみ0.37g、リング込み0.42gでした。

以下の3つから検討します。

 

フロントフック候補①BKK SPEAR20-SS #6

まず思いついたのが、今ではメガバスルアーのフックの多くに付いている(と思われる)BKK社のフック。

初期フックは細軸のラウンドベンドなので、これに近いものとなるのがスピア20-SSです。

f:id:baseballlll:20240813201429j:image

サイズはメガバス公式にならって#6を選択。

 

まず重さを計測してみます。


f:id:baseballlll:20240629154136j:image

f:id:baseballlll:20240629154139j:image

フックのみ0.36g、リング込み0.42g。重さはバッチリです。

 

ラウンドベンドであり、センターバランスでもある。言う事なし、早くもこれに決まりか!

・・・としたいところなのですが、欠点がひとつ。

このフックは初期フックと比してゲイプ幅(針の中心軸と針先の距離)が若干広くなっています。ゲイプ幅が広くなることによるメリットはフッキング性能の向上、デメリットは根掛かりリスクの増加です。

ただ、今回の場合はそこが問題ではなく、『見た目のバランスがちょっとよくない』という事象。後述するリアフック候補と組み合わせてみると、どれもちょっとだけ変になるのです。

見た目のバランスを取るためにこのフックにフェザーを巻いてリアフックにするという方法ももちろんあるわけですが、気軽にフック交換したいと考えるとちょっと敷居が高い。

ポップXは見た目のよいルアーなので、このあたりのバランスもきちんとしておきたいなあ、と新たな課題が浮き彫りになったのでした。

もちろん、実用には問題ありません。

 

フロントフック候補②がまかつ トレブルRB-Mナノスムースコート #7

国内フックメーカーといえば、まずカルティバ(オーナーばり)とがまかつの2社が挙げられることが多いでしょう。

この2社はラインナップも豊富です。しかしながらカルティバの方は、深くは触れませんが重さやリアフックとのバランスを取るためにいろいろ苦労することになるので、今回はパス。

 

一方でラウンドベンドのフックが充実しているのががまかつ。トレブルRBシリーズがこれにあたります。

トレブルRBは軸の太さによってM、MH、Hの3つがあり、今回選択したのはM。もっとも細軸のものです。

ここで注意しなければならないのが番手選び。前述のとおり、メガバス公式にはフックサイズ#6とありますが、このトレブルRB-Mの#6は初期フックより明らかに大きいです。

そこで1サイズ下の#7を選びます。この変則番手がラインナップされているのがミソ。

多くの商品では、#6のひとつ下は#8ですからね。

f:id:baseballlll:20240813202003j:image

写真右が初期フック、左がトレブルRB-Mの#7。

 

このトレブルRB-Mにはショートシャンクと通常シャンクの2タイプがありますが、#7サイズがあるのは通常シャンクの方のみです。

そして通常タイプに更に防錆の『ハイパーシールド』とフッ素樹脂コートで刺さり重視の『ナノスムースコート』の2つがあり、これは好みでいいかと思います。

強いて言えばフックの色が『ハイパーシールド』はシルバーに近く、『ナノスムースコート』はマットブラックに近い。なので、トップウォータープラグにはシルバーのフックを付けたい場合や、リアフックとカラーを合わせたい場合など、状況に合わせて選ぶのがいいでしょう。

f:id:baseballlll:20240813202023j:image

今回はナノスムースコートを選択。

 

では重さを計測してみましょう。


f:id:baseballlll:20240813202050j:image

f:id:baseballlll:20240813202110j:image

フックのみ0.37g、リング込み0.42g。これまたバッチリ。
ゲイプ幅など全体のサイズも初期フックとほぼ変わらず。前後の干渉も起こりません。

これは採用!でいいでしょう。

 

 

フロントフック候補③RYUGI ピアストレブル #7

3つめの候補は、やや番外編的なものと捉えていただければ。

リューギのピアストレブルの魅力は何といっても入手のしやすさと、番手が豊富に揃っていること。大型店舗には必ずありますし、#5、#7といった変則の番手もラインナップされています。

ただし今回の場合においては形状がラウンドベンドではないことと、やや太軸で重いことが予想されるのが難点。

こちらもまた#6だと高さも重さも大きすぎるので、ポップX用に選ぶなら#7が適しています。

それでも重さは以下のとおり。


f:id:baseballlll:20240629154424j:image

f:id:baseballlll:20240629154421j:image

フックのみで0.42g、リング込みで0.48gと初期フックより1割以上重くなります。

 

形状では針先が内側を向いているため、ここまでで挙げた①②のフックと比して掛かりやすさという点においては劣るのではなかろうか?ということになります。

このピアストレブルを採用するのか?というと、後述のリアフェザーの話と総合して判断することがいいかな、と思います。

 

初期フックとフロントフック候補の各形状、大きさ

ここまで挙げた3種と、初期フックを並べてみました。

f:id:baseballlll:20240813202216j:image

こうやって見ても、トレブルRB-Mが無難かな、という感じがしますね。

 

リアフック編

リアは初期装備がフェザーフックであり、もちろん交換候補もフェザーフックということになります。これまた3種をピックアップ。

初期フックの重さはフックのみ0.40g、リング込み0.46gでした。

 

リアフック候補①メガバス ティーザーフック #6

まずはメガバス純正のフェザーフック、これでしょう。

公式ではティーザーフックという名前で販売されています。

いきなりですが、まずこのメガバス純正ティーザーフックは難点があります。あんまり売ってない。釣具屋さんの店頭で見かけることはほぼなく、公式オンラインストアでも『在庫あり』の状態になっていることはあまりないように見受けられます(『在庫切れ』か『予約商品』の状態であることがしばしば)。

なのでどこかで見かけたら、手持ちがなければ1つ(1箱2本入り)ストックしておくことをおすすめします。

カラーが複数あるのも魅力。今回はピンクを入手しました。


f:id:baseballlll:20240814020412j:image

f:id:baseballlll:20240814020414j:image

ポップXには公式記載のとおり#6を使うよう書かれています。

 

この純正ティーザーフックですが、初期フックと比べるとフェザーのボリュームや長さに差があります。

f:id:baseballlll:20240814020427j:image

初期フックは古いものなので、もともとなのか、劣化してこうなったのかは定かではありませんが。

 

重さを計測。


f:id:baseballlll:20240814020452j:image

f:id:baseballlll:20240814020450j:image

フックのみ0.44g、リング込み0.49g

初期フック比ですとだいたい1割弱ほど重くなります。フェザーとかスレッドの部分の差にしてはちょっと差が大きいですねえ?

しかしまあ、何と言っても純正だという安心感があります。いきなり最有力候補と位置づけても問題ないでしょう。

 

 

リアフック候補②がまかつ トレブルRB-MH FT #7

続いてはがまかつのトレブルRB-MH FTです。

商品名のとおり、トレブルRBにフェザーを巻いたものです。番手は#7

ハイパーシールドなのでフックの色はシルバーに近いです。

f:id:baseballlll:20240814020731j:image

なぜフロントフックの最有力候補に挙げたトレブルRB-Mではないのか?というと、単純にフェザー仕様はMHしかラインナップされていないからです。これが最大の難点。つまりフックがトレブルRB-Mよりも太軸のものになります。

これによってフックの重さが増すことになりますが、差はどれほどか。


f:id:baseballlll:20240814020516j:image

f:id:baseballlll:20240814020519j:image

結果はフックのみ0.51g、リング込み0.57g。かなり重くなりました。

このうちフェザー部分に占める割合がどのくらいかがわからないので単純比較はできませんが、それでもこの差はちょっと使うのをためらうかも。

 

リアフック候補③リューギ フェザードピアストレブル #7

最後に、フロントフックの候補に一応挙げたピアストレブルのフェザー仕様版、リューギのフェザードピアストレブル。番手は#7

f:id:baseballlll:20240814020603j:image

こちらも勿論フックそのものはピアストレブルと同じなので、太軸で針先が内向きのものとなります。

なお、フェザーのカラーは白と黒の2色があります。

 

重さを計測。


f:id:baseballlll:20240814020545j:image

f:id:baseballlll:20240814020543j:image

フックのみ0.44g、リング込み0.50g

単純計算するとフェザーやスレッドで0.2gの重さが乗っているということで、これは初期フェザーフックより若干軽いということになります。ちょっと意外。

 

これまたポップXの替えフックとしては向かないのではないか?とも思いつつ、これの最大の利点もまた入手のしやすさ。個人的な肌感ですが、フェザーフックとしては一番手に入りやすいのではないでしょうか?

フック交換を行う際、フロントとリアで別々のメーカーや型式のものを選ぶのはどうしても気持ちが悪いものです。そういう意味では、フロントフックとリアのフェザーフックで同じ型式のものを容易に入手できるというのは、大きな利点であると思います。

 

 

初期リアフックとリアフック候補の各形状、大きさ

下の写真右から初期フック、①、②、③と並べています。

f:id:baseballlll:20240814021033j:image

それぞれフェザーの形状とボリュームが違っていて面白いです。

 

結論!(個人的な)

ここまでの結果をまとめて、フロントとリアの組み合わせを以下の2パターンに絞りました。私がポップXのフック交換をするなら、という結論です。

パターンAが本命、パターンBは場合により消極的に採用するオプションです。

もちろん今回挙げたものの他にもトレブルフックはたくさんあります。今回は形状、重さ、そして入手のしやすさなどを考慮して選んでいますので、これがベストということではないかもしれません。

 

パターンA

フロント:がまかつ トレブルRB-Mナノスムースコート #7

リア:メガバス ティーザーフック #6

フック2本+リングの合計重量は若干アップしますが、フロント側の重さは変わらず、リアもわずかな重量増に抑えています。この組み合わせが最も合理的でしょう。

リアには純正フックを取り付けるので安心感があります。各条件をほぼ満たしており、初期装備のセッティングとの差異は非常に小さいと思われます。

前後のフックの大きさ・形状・さらには色のバランスも違和感なし。

またメガバスのティーザーフックはカラーバリエーションが豊富で、本体のカラーや好みにあわせて色を選べるのも魅力ですね。

難点はティーザーフックを入手しづらいこと。

 

パターンB

フロント:リューギ ピアストレブル #7

リア:リューギ フェザードピアストレブル #7

これはフックの入手しやすさ重視のパターン。

ただしフック重量アップにより喫水や浮き姿勢がわずかに変わります。このセッティングで水に浮かべると、純正の状態に比べて、だいたい2mm程度ルアーが沈みます。これがアクションや釣果にどの程度影響するのか、あるいはしないのか?それはわかりませんが。

また針先が内側を向いていること、フックがやや太軸であることから、掛け重視の釣りにはあまり向かないセッティングだと思います。

 

ルアー総重量の変動

終わりに、各パターンでのルアー総重量を計測。

 

まずはフック・リング装着なしの状態。

f:id:baseballlll:20240814021035j:image

6.48gです。

 

次に初期フック・リングを装着した状態。

f:id:baseballlll:20240814021037j:image

7.37gとなりました。

 

続いて、交換パターンA

フロント:がまかつトレブルRB-M #7

リア:メガバス ティーザーフック #6

リング:ゼスタ #2

の組み合わせ。

f:id:baseballlll:20240814021040j:image

7.42g。初期装備状態と比べて+0.05g

リアフックが若干重くなります。

 

最後に、交換パターンB

フロント:リューギ ピアストレブル #7

リア:リューギ ピアスフェザートレブル #7

リング:ゼスタ #2

の組み合わせ。

f:id:baseballlll:20240814021042j:image

7.47g。初期装備状態と比べて+0.1g

こちらはフロントもリアも少しずつ重くなります。

 

おわりに

ただのフック交換のことなのに、いざ始めてみるとえらく長い話になってしまいました。

また、以上のことは現行のポップXに当てはまるかどうかは確認しておりませんので悪しからず。結局BKKがジャストフィットするとか、そういう結論に落ち着くかもしれません。

 

フック交換は、特に昔のルアーほど選択に悩みます。

初期装備のものに完全に適合するものがない場合が多いので、大きさや重さ、軸、はたまた色などから自分なりの答えを総合的に導き出していくことになります。

その過程がまた、面白いんですけどね。

f:id:baseballlll:20240630215412j:image

(写真上がパターンB、下がパターンA)

今回は基本的に初期の状態を踏襲する、という主旨でフックを選択しました。

あくまでこれは例のひとつに過ぎません。例えば全く異なるフックセッティングにすることによって、思わぬルアーの特性を見つけることができるかもしれません。

それではみなさま、ポップXでよい釣果を。

 

www.tsuridehitoiki.com