コロナ禍でどうにも息の詰まる世間の空気の中にいるからこそ、自然の中でのリラックスはとても価値のあるものに感じられますよ。
篠栗九大の森
福岡県糟屋郡篠栗町というところにある、『篠栗九大の森』。
どんなところかと言うと・・・篠栗町の紹介ページの文章を以下に引用します。
篠栗九大の森は、九州大学の敷地(九州大学福岡演習林)の西端にあり、篠栗町と九州大学が共同で整備、管理を行っています。
約17ヘクタールの「森」には、約50種の常緑広葉樹と約40種の落葉広葉樹が生育し、中心にある蒲田池の周り約2キロメートルの遊歩道には、町の森林の間伐材を使用したあずまややベンチが所々にあり、自然を感じながら休憩することができます。
その他の情報は篠栗町のページをどうぞ。
ここは紹介文のとおり九州大学の敷地で篠栗町と共同で管理している"森"なのですが、一方でインスタ映えする写真を撮ることが出来るスポットとして有名です。
私は公私共にこの辺りに行く事はあまり無く、この時も全く予定していなかったのですが、たまたま近くを通りかかったことをこれ幸いと立ち寄ってみました。
現地へGO!
福岡市中心部からは北東へ10kmくらいの距離。
車ならJR博多駅から30分、福岡空港から20分程度で到着します。
この地図にある『蒲田池』の周りをぐるりと取り囲むようなコースになっています。
なお、蒲田池は農業用溜池であり、この篠栗九大の森と直接の関係はありません。
この池の水位によってあの有名な光景に出会えるかどうかが決まるわけですが、農業用溜池であるということは当然、天候は勿論のこと季節によっても水位が変動します。
ここは観光地ではありませんし、公園でもありません。行かれる際は充分にご留意を。(※もちろん池での釣り等も禁止です!)
このときは車で現地に向かいました。
駐車場は森の北入口と南入口にあります。
見つけやすいのは南側(上記マップのポイントが示しているのもこの駐車場の位置)で、トイレもこちら側にあります。
なお、いずれの駐車場にも時期ごとに利用時間制限があります。
道路を挟んで反対側には付近にある企業の駐車場がありますが、間違えて駐車したりしないように。
また住宅街も近いので、騒音等の迷惑にならないよう注意しましょう。
ルールを守って森林浴。
駐車場に車を停めて、長靴に履き替え、早速入口へ。
森の入口付近には案内図が。
左上にある『水辺の森』という場所こそ、例のインスタ映えを狙えるスポットです。
見てのとおりですが、写真だけ手っ取り早く済ませたいなら北口から入りましょう。(笑)
立ち入る前に注意書きをチェック。
前述のとおり、ここは観光地でも公園でもありませんのでルールはきちんと守りましょう。
森に立ち入ってすぐの場所にも注意書き看板。
端的に言えば、遊歩道内で森林浴を楽しむのだけがOK。
ここで遊んだり、ペットと散歩したり、草木などを採ったり、歩道の外に立ち入ったり、その他いろいろと全部ダメです。
森の入口にはこの注意書きと、自由に借りることができる長い木の棒があり、棒は出口で返却できます。
私は特に何の気も払わずに棒をスルーして森に入ったのですが、予想していたより全く人の気配がなく、しばらく歩いた後でしまった・・・あの棒を借りてくればよかった、と後悔しました。
この環境で森の中にたった1人は意外と心細いです。
入口にある棒は必ず借りていくことをオススメします。木の棒を一本持っているだけでも心持ちが大分違うと思います。
また歩いている最中にも絶えず棒で地面を叩いて音を出すことで、ヘビやイノシシとの遭遇を避けることが出来ます。(※万が一イノシシに遭遇した場合、棒を振り回して威嚇したりすると超危険ですので絶対やめましょう)
さあ森の中へ。
ここから写真たくさんになります。
歩道は全て、このとおり舗装されていません。
雨上がりはこのようにぬかるんでいます。
歩きやすい靴、雨上がりのときなどは長靴がいいでしょう。
一周およそ2キロの道のりで、100mごとに目印のアルファベットと看板があります。
そこに自生している植物のイラストつきです。
おもな木のそばには種名を記した看板。
こちらは『カクレミノ』というそうです(幹しか写ってなくてスミマセン)。
目に映るたくさんの緑。
"もののけ姫"の世界です・・・。
整備は必要最小限に抑えられていて、自然の空気にゆっくりと浸れます。
池は雨上がりということもあり水は白濁り気味。
むっ、これは・・・!
もしやイノシシが掘り起こした跡??
タケノコ山でこういうのをよく見かけますね。
ちょうど中間地点にやってきました。
コナラの木の足元にはシダ系の植物がたくさん。
上に伸びた若い葉の先がくるくる巻きになっています。
これはゼンマイというものかな?
なんだかチンアナゴの群れみたいでかわいいです。
そこからさらに進むと遊歩道の脇、小高いところに作られた『さくら広場』にやってきました。
その名のとおり桜が植えてあります。
近くには美しい八重椿も咲いていました。
鮮やかな赤い椿も。
この写真にある花々を見てのとおり、この森にお邪魔したのは今から少し前、3月中旬頃のこと。
季節ごとに風景は違ってきますので、それを楽しむのもまた良し。
さあ、それではメインスポット『水辺の森』へ・・・!
あの神秘的な風景をこの目に映すことは出来るのか、そして”映え”写真を撮ることは出来るのか!?
いざ!
残念でした〜!!!(笑)
ま、これはこれでなかなか良い雰囲気だと思います。
水面から木々が生えているような光景は、Googleやインスタで"篠栗九大の森"と検索すれば素晴らしい写真がいくらでも出てきますのでそちらをどうぞ。(笑)
この木はラクウショウというそうで、北米原産、スギ科ヌマスギ属の針葉樹です。
漢字で表すと『落羽松』、あるいは別名『沼杉』。
杉とも呼ぶ通り、幹が空に向かって真っ直ぐ伸びています。
この赤い線は何だろう?
この先はほどなくして北入口、つまり終点。
のんびり歩いて、1周ちょうど1時間で回り終えました。サクサク歩けば30分もあれば1周出来るでしょう。
なお、森の中はところどころに危険スポットの注意喚起があります。
恐らくマダニなんかもいると思いますので、軽装でも何の問題も無いとはいえ肌の露出はしないなどの注意が必要です。
また行きます。
というわけで、残念ながら"映え"写真を撮るということこそ叶わなかったものの、たっぷりと森林浴を楽しんでリラックス出来ました。大満足!
起伏も少なく、軽いウォーキングで身体がほぐれましたし、何より目に映る緑、木々の香りや鳥たちの声で心がとっても安らぎますね。ダムでボートに浮かんでいるときなんかも、同じことを思います。
自然の力はスゴイ。そりゃ大昔から人々は神様を感じるワケですよ。
都市郊外に見られる公園でも似たような雰囲気を味わえるところは結構あるので、『水辺の森』目当てでなければあえてここに行く必要は無いのかもしれません。
でも私はやっぱりこの目であの光景を見てみたいので、また近くを通りかかることがあれば時々立ち寄ってみようと思います。
自然の中にいても、ソーシャルディスタンスは忘れずに。