まだまだ終息なんて全然見えてこないコロナ禍。
日本全土に緊急事態宣言が発令されましたが、それによって緊張感が更に高まる、ということは個人的にはありませんでした。
それまでも、これからも、変わらずに外出自粛、三密の回避を中心に感染予防に努めていくしかありません。
当然ながら仕事は思うように進捗せず、多くの制約の中でもがく毎日。休日はずっと家にこもっていて、外の空気は窓を開けて入ってくるものを吸い込む程度。
ストレスに晒され、知らず知らずのうちに色んなことに対して神経質になっている自分にも気づきました。おそらく、多くの人々が同じ状況なのだと思います。
しかし最前線で感染対策や医療に従事している方々はもっともっと、想像を絶する大変さの中で頑張っています。ただ家にこもっているだけでいい我々など、ひどく呑気なものです。
まだまだ長丁場の戦いはこれからが本番だと思いますが、変わらず外出自粛、三密回避、手洗いに努めましょう。
ぬーべーが無料で読めるぞ!!
毎日かなりの暇を持て余している私は、色んな時間つぶしにトライしています。
家にあるTシャツを全部出して並べてみたり、VRゴーグルを買ってVR動画を見てみたり(酔ったのですぐに諦めました・・・)、10年以上ホコリをかぶったまま部屋の飾りと化していたギターを引っ張り出して弾いてみたり。
そんな中で、小学生の頃好きだったジャンプの漫画『地獄先生ぬ〜べ〜』が在宅支援と銘打って全巻無料で読めるという情報をキャッチし、心躍らせながら早速全話読みました。
子どもの頃に読んだのは全体の6割くらいだったと記憶していますが、全話通して読んでみた感想としては・・・書ききれません・・・。(笑)
アプリのインストールだけでOK!
↓のリンク先からスマホでヤングジャンプのアプリをインストールすると全巻無料で読めます。第1〜3話はブラウザでも読めます(PCでもいけました)。
ただし期間は5月6日まで!
全部で282話。なかなかのボリュームです。確か1話だけ無料の対象外があったかも。
続編『地獄先生ぬ~べ~NEO』も無料で読めるようです。
こちらの方はまだ私は読んでいませんが。
大人になって読むと、また違う味わい・・・。
なんですかね、子どもの頃に読んでいたときにはかなり怖かったというか、そういう話ばかりが印象に残っていたのですが。
中でも、
#17「てけてけの怪の巻」
#37「丑の刻参りの巻」←今読んでも怖すぎる(涙)
#50「赤いチャンチャンコの巻」
#73「七人ミサキの巻」
なんかは強烈に覚えてますねえ。メリーさんもとんでもなく怖かったなあ。
しかし大人になってから読んでみると、その印象はガラリと変わりました。全体を通して倫理観や道徳観、命の大切さを説くことの多い読みものだということが強く伝わってきます。
恐ろしい妖怪たちがたくさん出てきますが、その多くは、生い立ちが悲しいもの、悪い行いをするものを襲うもの、バチが当たって妖怪化したものなどであり、それらを通じて「人として大切なこと」「人として正しい行い」を教えてくれていると、私には思えました。
昔から妖怪とは「悪いことをすると妖怪がくる/妖怪になる」という、ある種の躾のための役割を担っていたのでしょうね。
大人になって読むと、結構泣いちゃう・・・。
なんですかね、子どもの頃に読んでいたときはふ〜ん、いい話だね・・・くらいの感情しか持たなかったのが、大人になると落涙を抑えられないのは。
#45「前世の記憶の巻」
#83「あの子はのっぺらぼう!?の巻」
#128「座敷童子の悲しき過去の巻」
#最終話「さようならぬ〜べ〜の巻」
他にも数え切れないくらいたくさんありますが、純粋な友情、親子愛、仲間の絆を書いたものはとても心に響くものばかりで、荒んだ大人の心に染み入りますね・・・。
玉藻よ、愛を理解したければぬ〜べ〜を全話読みなさい。
サブキャラもみんな素晴らしい。
ぬ〜べ〜以外の登場キャラクターも、それぞれに個性豊かな面々が揃います。
私が一番好きなのは郷子ちゃんですが・・・まことくんや木下あゆみちゃんの登場回は好きな話ばかりですね。
生徒以外でも、玉藻やゆきめさん、いずなちゃん、リツコ先生(始めはヒロインだったのに・・・)など、みんな愛すべきキャラクター。
生徒や他のキャラクターの誰が話の主役になるかで、だいたいその回のパターンが決まってくるので分かりやすいです。
特に私は玉藻主役回が好きなのですが、愛というものを理解しようとする玉藻を通して見えてくるのは『人はなぜ人なのか』という、ちょっと深いテーマ。
特に#183「Dr.玉藻の憂鬱の巻」は大好きです。
個人的に好きな回ベスト3!
※ここからあらすじ・ネタバレが有ります!
全282話(本編は全276話)の中では、オーソドックスな妖怪モノから科学を交えた話、人間の愛の素晴らしさを思う一方で底知れぬ怖さを思い知り、はたまたドラゴンボールかとツッコミたくなるようなバトル展開や、少年誌という前提を無視したかのようなお色気シーンなどバリエーションはなかなか多岐に渡るぬ〜べ〜。
好きな話は数え切れないくらいあるんですが、その中でも私が特に好きな話を3つに絞り、勝手に紹介します。
順位をつけるのは難しいですが、敢えてつけるなら上から3、2、1位の順で。
#137「次元妖怪・まくらがえしの巻」
郷子ちゃん主役回。なお、TVアニメでは最終回にこの話が採用されました。
妖怪まくらがえしに枕を返され、魂が違う世界、いわゆるパラレルワールドに飛ばされてしまった郷子ちゃん。妖怪まくらがえしはそういうイタズラをして困ってる人を見て楽しむそうですが、果たして元の世界に帰れるんでしょうか?そこは話中では分かりませんでしたが・・・。
郷子ちゃんが飛ばされた世界は15年後の未来ということになっていますが、それは郷子ちゃんにとっては全く望んでいないことの多い、つらい未来でした。郷子ちゃんは未来のぬ〜べ〜にこんなことを言われます。
「ここはお前の世界でない
パラレルワールド たくさんある未来のうちのひとつ
こういう未来もあるという事だ」
本当の郷子ちゃんの世界ではないけれど、しかしここも嘘の世界ではない。
まるで傑作映画『バタフライ・エフェクト』を思わせる話です。
(そういえばこの映画、リメイクする話はどうなったんだろう・・・)
最後は無事に元の世界に戻ってこられてみんなに会い、喜ぶ郷子ちゃん。めでたしめでたし・・・ではありません。まだ郷子ちゃんが見てきたつらい未来を迎えないための、何の解決も出来ていないのです。
パラレルワールドが実在するとすれば、今の自分というものは、やはり過去のある時点からたくさん存在する未来のうちのひとつということになるのでしょう。それはその過去のある時点から見て、幸せなのか?つらいものなのか?それは今の自分自身に判断できませんね・・・私の場合は。幸せだと信じたい、というのが正解に近いのかな。
郷子ちゃん回では#268〜270「送らずの桜の巻」も少し近い設定の話になっていて、これも面白いです。
#97「最強の敵!?の巻」
ぬ〜べ〜のキャラ設定の主要なものに「貧乏」があります。
独身の公務員なのに一体何にそんなにお金をつかっているのかは、漫画を読んだだけでは判然としかねますが。
そんなぬ〜べ〜ですが、あろうことか貧乏神に取り憑かれてしまいます。この漫画には「妖怪」がたくさん出てきますが、このようにときどき「神」の類も出てきます。
信じられないほど運の悪い出来事を休む暇なく引き起こす貧乏神。ぬ〜べ〜はこれまでと段違いの貧乏に陥ることになります。とうとう学校の校庭にテントを張って寝泊まりする羽目に。
が・・・。
テントに生徒や先生たち、妖怪たちまで噂を聞きつけて励ましにやってきます。
そして素敵なことに気付いたぬ〜べ〜先生。
「何だ 俺は何にも失ってないじゃないか」
「俺には 生徒が 仲間が 友達がこんなにいる 何を落ちこんでいたんだ」
「金なんてなくても 貧乏なんて 俺にとって 何の苦でもないじゃないか」
どうなっても絶望しない、お金以外の希望を持っている人が苦手な貧乏神はぬ〜べ〜の元から去っていきます。
お金は確かに大切ですが、それは手段のようなものです。人生で本当に大切なものって、お金そのものじゃない。ついつい見失いがちなことを、ぬ〜べ〜先生が教えてくれます。
#188「なまけ妖怪ひまむし入道の巻」
私が一番好きな話を挙げるとすれば、この回です!
珍しい、のろちゃん主役回。のろちゃんはとてもカワイイのに普段は全然目立たないですよね〜。もったいない。しかしそこがまた何とも言えない味わいがあるんですが。
ひまむし(火間虫)入道とは、度を超すほどにひどい怠け者が変身した妖怪です。
この話では、若い頃ミュージシャンを目指していたある男が、その才能の限界に気付き、以来何もかもにやる気をなくしてぐうたらな生活をしているうちにこの妖怪になってしまった、というところから始まります。
偶然のろちゃんと出会ったひまむし入道、ぬ〜べ〜を紹介してもらいます。
ぬ〜べ〜曰く人間に戻る方法はただひとつ、『働くこと』!そしてこの妖怪の特技は『働く者の邪魔をすること』。(笑)
当然ながらひどい怠け者なので、働くつもりなど全く無いひまむし入道。働くくらいなら人間に戻れないほうがマシだ、と早々に諦めてしまいます。
ついに生きることすら面倒になり、自ら人生を終えようとしますが、再び偶然通りかかったのろちゃんに必死に説得されて思いとどまります。
さて、のろちゃんは週末にお父さんと遊びに行く約束をしていたのですが、超多忙なビジネスマンのお父さんは仕事のスケジュールの都合で遊びに行けなくなってしまいました。それを聞いたひまむし入道はのろちゃんのために一肌脱ぐことを決意。
働く者を邪魔する能力をフル活用し、最後は決死の飛行機離陸阻止!
とうとう仕事に行くのを諦めたお父さんは、のろちゃんのことを思い、予定通り遊びに行くことを約束します。
一方、ひまむし入道はのろちゃんのために一生懸命働いたので、いつの間にか人間に戻っていました。
どこかさっぱりとした面持ちの元・ひまむし入道の男。最後にこう呟きます。
「・・・ま 人生
楽しいと思えば楽しいか・・・」
読もうぜぬーべー!
私は暇な時間をフルに注入して3日で読み終えてしまいましたが、コミック30巻分のボリュームがあるのでじっくりと読み進めればかなりの暇つぶしになると思いますよ。
特に子どもの頃に読んだことがある人には是非読んで欲しいし、そうでなくても大人にこそ読んで欲しいと思いました。
子どもから大人になり、社会を経験し、そして親という立場になって読むぬ〜べ〜は、人というものを改めて見つめ直させてくれるような漫画だな、と。
まあ、御託は抜きにしてもそもそも無料ですからね!(笑)
余談ですが・・・。
こんな話も私の印象に強く残っています。
最も驚いた話
#223「サキュバスとインキュバスの巻」
これは必読。
20年以上も前にこんな話を作っていたことに心底びっくりしました。
最もタイムリーな話
#174「童守町死滅!?彗星が疫病神を呼ぶの巻」
タイトルにある通り、地球に彗星が接近し、疫病神が現れ、彗星から降り注ぐ未知の細菌やウイルスが疫病を招き人々の命を奪うという話。
つまり、そういうことです。
疫病神は気味の悪い能力を操ってぬ〜べ〜すらも無力化しますが、それは遥か昔から人類の脅威であり続けたウイルス、天然痘を意識したものに見えます。
疫病神はこう言います。
「天よ 罪深くおごりたかぶる人間どもに 警鐘を鳴らしたまえ」
「人は己を知り 己の卑小さを悟る これ神の意志なり」
天然痘は人類の歴史上最大の敵だったと言っていいと思いますが、今回の新型コロナウイルスは、果たして・・・。
(最新のものは地獄先生ぬ~べ~Sっていうシリーズなんですね)